法学者を念能力で分類〜キルアが法律家を志すと大谷實になる!?
- 作者: 冨樫義博
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1998/06/04
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ふと、法学者も念能力で説明できるんじゃないかという疑問が頭をよぎった。
念とは誰もが持っている生命エネルギー「オーラ」を操る能力のことである。この「オーラ」は、法学者でいえば「学説」(自説)ですから、学説を強化するのか、放出するのか、具現化するか、操作するか...でそれぞれの系統に分かれる。
参考:六性図
- 強化系
自説を強化し、学界に広める。まさに学者としての王道。勉強熱心で、論文もたくさん書く学者。まさに単純で一途な性格(byヒソカ)。
具体例:山口厚教授(刑法)、新堂幸司教授(民訴)
根拠:山口先生は、師匠の平野説を西田説を参照しながら深め、これを学界に広める。少数説から、頑張って強化し、現在有力説。私見では、20年後には通説になっている。
新堂先生は、失敗したと評価される方もいらっしゃるが、兼子民訴に堂々と反旗を翻され、自説を広めた。現在もよく「有力説」として紹介される。私見では、20年後に通説になる可能性は40%*1。
- 放出系
自説を広める(放出する)。強化系との違いは、学界通説を目指す王道が強化系、受験通説を目指すのが放出系。学界を説得するのではなく、うぶな受験生を説得するだけでいいので、短気で大雑把(byヒソカ)な学者でも大丈夫! もちろん、強化系と放出系は隣り合っているので、内田先生のような放出と強化の中間のような学者もいるが...。
具体例:内田貴教授(民法)、前田雅英教授(刑法)等
根拠:わかりやすく、読みやすい基本書を書き、自説を司法試験受験生に広めた。
- 具現化系
立法に携わって、自説を具現化させる。判例の中で具現化されるものを入れるかどうかは問題である*2。
具体例:江頭憲治郎教授・神田秀樹教授(商法)、井上正仁教授(刑訴)、佐伯仁志教授(刑法)、高橋宏志教授(民訴)、道垣内正人教授・能見善久教授(民法)等
根拠:法務省のhttp://www.moj.go.jp/SHINGI/housei.htmlの委員名簿に書かれている学者の一部(自分が講義を受けたor本を読んだことがある人)挙げてみた。審議会の委員であるから、法改正に関与しているということ。
- 操作系
若手学者を操作する。大御所に多い。何か発言すると、それが「鶴の一声」として若手に多大な影響を与える学者。また、若手が「我妻先生の説を叩くことで有名になろう!」と頑張って我妻説を叩くということは、まさに若手学者を操作していると言ってもいい*3。
具体例:ちょっと古いが我妻栄博士、芦部信喜博士等か。存命組だと団藤重光教授*4、塩野宏教授等*5?
根拠:具体的エピソードをご存知の方は、コメントかトラックバックお願いします。
- 特質系
とんでもない新説を考えつく等。電波系学者も含むんだろうが...。
具体例:阿部泰隆教授(行政法)、星野英一教授(民法)、西田典之教授(刑法)、長谷部恭男教授(憲法)
根拠:阿部先生なら
取消訴訟中心主義とか仮命令否定論は条文の一面的な読み方で、確定された立法史を無視し、権利救済の実効性にはまったく配慮しない欠陥理論
とおっしゃって、旧来の通説を批判し社会保障法・行政救済法の分野等で新たな救済のありかたを提唱し、法的仕組を問いなおした。
星野教授なら、これまでドイツ法一辺倒であった民法解釈にフランス法的な解釈を取り込む。実はこの成果がかなり内田民法に入っていて、内田独自説は少ないといううわさも。
西田教授であれば、共犯と身分等について新説を提唱する。あの山口刑法理論は、西田先生の発案が多いらしい*6。総論の教科書を書いていないのが山口先生より有名でない理由だろう。
ハセビアンとして忘れてはならないのは、長谷部教授の指摘。切り札としての人権論等、切れ味の鋭い議論で、旧来の通説を切りまくる様は、痛快*7。
- 変化系
説を変化させる。こういうと格好いいが、要するに改説が多い変節学者。
具体例:大谷實教授(刑法)
根拠:最初は結果無価値を取っていたのに、行為無価値にコロっと改説した、柔軟性の高いお方。度々改説し、その度に、基本書の版が改まる。
- 総括
これが属性の相性を示す表六性図です
近いものほど会得の相性がいい
例えば生まれもつオーラの質が強化系ならば強化系の能力の覚えが最も早く力もつきます
そしてとなり合う変化系・放出系も相性が良いので覚えやすく逆に特質系の能力は非常に覚えにくい
引用元:HUNTER×HUNTER第7巻p110
強化系を極め、自説を学界通説にすれば、受験通説になる可能性も高いという意味で、強化系と放出系は関連性が高いです。六性図によれば強化系能力者は放出系を80%まで極められるらしいので、まさに六性図通りある。
特質系として、新説を発表し、これがよいと思われれば、立法で具現化される可能性も高い。我妻先生が、我妻説という新説を提唱し、これが受け入れられられ、具現化され、かつ、大御所として若手を操作しているが、これは特質・具現化・操作系の3系統はつながっていることを例証している。
ただ、「気まぐれでウソつき(byヒソカ)」の変化系だけは、具現化・強化系との関係が不明である。大谷タンは受験通説化してますから、むしろ放出系であろう。
まとめ
以上より、法学者を念能力で説明するという方法は、かなり説明能力が高いものの、変化系の説明が困難という難点をかかえていると言える。
参考:類似ネタ
「法学者の能力を全員スタンドで説明」
例:山口厚
スタンド名「ヤマグチ・ワード」
説明:世界で山口厚だけが使う、「山口語」を使うことで、相手を錯乱させ、議論を自分のペースに持ってくる。一般人の使う「実行行為」といった言葉を否定するのも、「ヤマグチ・ワード」発現の布石。
例:芦部信喜
スタンド名「リード・ビトイーン・ザ・ラインズ」
説明:一見ものすごくわかりやすい、短文を連ねた言葉。これを相手に投げかけると、相手はわかった気になる。しかし、よく考えてみると、よく意味が分からない。こうすることで、相手を自分のペースにはめる。相手は行間を読まないといけないが、行間を読もうとするところに、スタンド「ダブル・スタンダード」を使うことで、相手を死へと誘う。
参考:超芦部