- 作者: 文部省
- 出版社/メーカー: 東京出版
- 発売日: 1995/07
- メディア: 単行本
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文部省 あたらしい憲法のはなし
改憲議論がまた盛んになる中、現行憲法の原点を、平易な用語で解説している。
ただし、よく読んでみると、いろいろと気になる記載がある。
例えば、「愛国心」に関して、
みなさん、国を愛し、国に尽くすように、自分の住んでいる地方を愛し、自分の地方のために尽くしましょう。
こんどの戦争で、天皇陛下は、大変なご苦労をなさいました。
なぜならば、古い憲法では、天皇をお助けしてくにの仕事をした人々は、国民全体が選んだ物でなかったので、国民の考えと離れて、とうとう戦争になったからです。
そこで、この先、国を治めていくについて、二度とこのようなことがないように、新しい憲法をこしらえるとき、大変苦心を致しました。
しかも、
ですから、私たちは、天皇陛下を、私たちの真ん中にしっかりとお置きして、国を治めていくについて、ご苦労のないようにしなければなりません。
という一節まである。
まとめ
「新しい憲法の話」は、意外と知られていない記載がある。
例えば、「8月革命は存在せず、明治憲法の『改正』だという建前(八月革命否定説)に基づいた記載」であるとか、
「筆者の中で天皇陛下による統治の歴史がこびりついていたので筆が滑った」等いろいろな解釈が可能であろう。
ただ、このことは、原文を読むこと、及び、そのテキストが作成された歴史的文脈を読むことの重要性を教えてくれる。