- 作者: 岡村久道
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2005/02/01
- メディア: 新書
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なぜ、「公人」にはプライバシーがないのか。ここで参考になる記事があった。
なぜ「公人」にはプライバシーが無いのか、という問題ですが、要するに、彼等は国民の権利を守る立場、国民の福祉を推進する立場に居る訳ですね。逆に言えば、自らの立場を悪用すれば、幾らでも国民の権利を侵害し、国民の福祉を蹂躙できる立場にある。
だからこそ、プライバシーが無い訳です。基本的人権を制限するものは基本的人権しかない。公人のプライバシーを守ることにより、多くの国民の基本的人権が侵害される懼れがあるので、「公人」のプライバシーは認めていないのです。
そう考えていくと、例えば公務員の全人格を公人と規定するのには多少問題があるかもしれません。公共の福祉、国民の権利に関係している部分についてのみ「公人」で、それに無関係な部分に関しては「私人」と考えてよいということになります。広辞苑第三版の②の意味は、①の補足としてであれば意味がありそうです。
引用元:http://www006.upp.so-net.ne.jp/takagish/opinion/iitai2000-1/iitai134.htm
要するに、「国民の権利を侵害しうる」「国民の福祉を蹂躙する」可能性があるからこそ「公人」にはプライバシーがないわけです。要するに「首相が赤坂の料亭で○○と会食」といったことが一切公開されなければ、袖の下をもらい、最終的には国民の福祉を害したりする可能性もあります。現在行われているように、首相のプライバシーが制限され,一般国民が「あ、首相は赤坂の料亭で○○と会食したんだ!」と知ることができること自体が、国民の福祉を守ることになるのです。
このような根拠を強調すれば、このプライバシー権の制限は「有名税」といった種類のものではなくなるでしょう。「その人」の情報を公開することが「国民の権利」に関連するからこそ、プライバシーが制限されるのです。
その点、アニメのキャラクター達は不当なプライバシー権侵害を受けている!
例1:鉄腕アトムhttp://www.city.niiza.saitama.jp/news/030411/03041105.php
例2:安藤まほろhttp://kigurumi-ska.com/d/gifts/maho_resident.jpg*2
例3:モリゾー・キッコロhttp://www.city.seto.aichi.jp/morikoro.htm*3
そう、アニメキャラの住民票が住んでいる町によって勝手に発行され、しかも、これを希望者全員に配っているのです!!!首相ですら、首相官邸が住所であることや成年月日位しか分からず、本籍・筆頭者・住民票コード等は秘密になっているのに...。
また、プライバシー権の成約原理は「その人が人権を侵害しうる立場にあるから」でありますが、アニメキャラが人権を侵害する権力を持ってはいません*4。この人権侵害は不合理そのものなのです。
まとめ
アニメキャラ住民票の発行は、制約目的も・制約手段もどちらも不合理であり、憲法13条の定める各キャラクターのプライバシー権を侵害する違憲な行為である。
アニメキャラ達よ! 国家賠償を求めて立ち上がれ!
追記:R@VÀs¯ESrAgを参考にさせていただきました。ありがとうございました。
*1:100-0014 東京都千代田区永田町2-●-× 03-○●×△-0101だそうです。http://www.pref.okinawa.jp/handbook/No502.htmlの「政府主要機関」だそうですから、別にここにきちんと書いてもいいんでしょうが。
*2:id:g-archives様の巧の技には感動しきりです。素晴らしいと思います!!
*3:http://www.city.yokohama.jp/me/hodogaya/bunyabetu/koseki/touroku11.htmlにある通り、森に帰った(=死亡した)二人については職権で住民票の「死亡」処理がされるはずなのに、未だなされていません