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某月某日私は都内にある某中規模法律事務所を訪問した。要するに、知り合いの先生のいる事務所に行って、その事務所の仕事の概要等について教えていただいたのである。
最近の仕事内容としては、6月の株主総会集中期が終わり、少し暇ができた時期とのことであった。とはいえ、6月に後回しにした仕事がたまっているので、そこまで楽になるわけでもないとのこと。忙しそうであるが、それは逆にいえば新規採用の需要があるということで、就職難時代を生きる身としては、多少ほっとしたところでもあった。
ロースクール制度については、まだ新60期の人が修習を終わっていない段階なのでなんとも言えないが、その事務所に来た修習生等を見ても、旧試験合格者とあまりレベルは変わっていないとのことであった。
大規模法律事務所化の中における中規模法律事務所の立ち位置についても興味深い話を聞くことができた。4大事務所等が相当規模を大きくするのは、組織の合理化等の面及び採用面で利があるだろう。特にサマークラーク等の形で、たくさんのロースクール生を事務所に引っ張ってきて事務所の雰囲気を経験してもらうということは、規模が大きければ大きいほどしやすくなるわけで、大規模事務所はその意味では利がある。しかし、M&Aでもなんでも、2つの会社だけで完結する案件はほとんどない。たくさんの会社が関わる案件においては、コンフリクト(利益相反)を避けるために、たくさんの事務所の関与が必要になる。その点において、中規模事務所にも活路はある。また、組織が小さいので、お互いの顔が分かるという利点もある。大規模事務所であれば、既に会社組織のようなもので、同じ事務所でもセクションが違えば顔と名前が一致しないのはざらとのことである。
このような興味深いお話を聞くことができたのだが、ヲタクとして一番興味を持ったのは、以下の話であった。
その事務所では全ての新人アソシエート(勤務弁護士)に、2,3期上のアソシエートの人がアドバイザーとして1人ずつつくとのことであった。もちろん、仕事はパートナー(共同経営者弁護士)から振られるので、パートナーにも相談できる*1が、パートナーとは父子とはいわないまでも年齢差があり、どうしても遠慮をしてしまう。そこで、同世代のアソシエートの人が各人1人ついて相談相手となり、仕事のことのみならず、精神面・健康面等の多面にわたって相談を受け付けるようにしているとのことである。
これを聞いて、私は思った。
俄然その事務所に入りたくなったのであった。
まとめ
中規模事務所が大規模事務所に新人勧誘面で対抗できる方法として「アドバイザー制度(別名:スール制度*2)」の導入がある。
某事務所のような制度つくり、これをPRしていけば、きっと、私と同様多くの人が事務所に入りたいと思うだろう。まあ、新人弁護士のヲタク率が急上昇するだろうが。
ともあれ、非常に興味深い話をしていただき、おいしいご飯をおごっていただいた某事務所の先生方に、ここで感謝の意を表する。