アホヲタ元法学部生の日常

アニメを見て法律を思い、法律を見てアニメを思う法アニクラスタ、ronnorのブログ。頻繁にツイッター(@ahowota)に出没しております。メールはronnor1あっとgmail.comへ。BLJにて「企業法務系ブロガー」として書評連載中。 #新人法務パーソンへ #オタク流勉強法 #明認方法 「アホヲタ元法学部生の日常」(ブログ)、「これからの契約の話をしよう」(同人誌)、『アニメキャラが行列を作る法律相談所』(総合科学出版)等。

会社法の勉強法

会社法の仕組み (日経文庫)

会社法の仕組み (日経文庫)

 学生にとって会社法は身近でないため、「難しい」といった印象を持つ人も少なくない。会社法の効率的かつ効果的な学習法を考えてみた。

 まず、最初に読むべきは近藤光男著の「会社法の仕組み」であろう。学説の対立といった深みにはまらず、会社法の大きな枠組みをわかりやすく解説してくれている。メリハリが効いているため、短時間で会社法に入門する上での重要事項を効率的に学ぶことができる。薄い本であるが、たとえば「発起人がなぜ最低1株引き受けないといけないのか」等の制度が設けられた「理由」について、理由をつけて*1述べてくれているのがうれしい。

小説で読む会社法―ドラマ・企業法務最前線

小説で読む会社法―ドラマ・企業法務最前線

 次に読むべきが、この「小説で読む会社法」である。同書については、ぜひ会社法対応改訂を!「小説で読む会社法」 - アニメキャラが行列を作る法律相談所withアホヲタ元法学部生の日常でレビューしているが、とにかく、小説形式で楽しみながら会社法の重要論点を学べるところが素晴らしい。残念ながら新会社法には対応していないが、新会社法になっても論点として残っているところは多いので、未だ有益である。
法律学講座双書 会社法 第9版

法律学講座双書 会社法 第9版

 このように、ある程度会社法の枠組みと重要論点がわかってから、基本書に入るのがよいだろう。最初の基本書としては、神田がお勧めである。理由は薄いからである。厚い本であると、どうしても「設立で放り投げた」といったことが起こりやすい。同書は300頁余りと、会社法全般*2を解説した基本書の中では格段に薄く、この点は評価できる。とはいえ、全般的にやや理由付けが薄いので、同書の記述そのままで新司法試験の論文を書こうとすると手薄な感がある。この点は注意が必要であろう。
株式会社法

株式会社法

 ここまでくれば、後はニーズに合わせてということになる。「実務的問題意識を含めて会社法の全問題を網羅したい」とか「百科辞典的に、何か問題があった場合に何でも答えを与えてくれる本が欲しい」と考えれば、900頁の大著「江頭」*3を利用するのがよいだろう。この本は、実務家も重宝している本であり、実務重視傾向にある会社法の学習においては「買うだけ損はない」本だろう*4
新会社法100問 【第2版】

新会社法100問 【第2版】

問題形式で学ぶ場合、旧司法試験の問題の利用が1つのスタンダードになろう。旧司法試験+新司法試験問題(+公認会計士)の問題に対し、新司法試験的な「丁寧な回答」が与えられている同書の利用がスタンダードかつ有益である。

まとめ
会社法を効率的かつ効果的に学ぶには
会社法の仕組み」→「小説で読む会社法」→神田「会社法
と読んでいくのがよい。

*1:もちろん、紙幅から理由が1言のことも少なくないものの

*2:一応合名会社合資会社合同会社

*3:もはや性質上の凶器

*4:厚いが、注釈が多く、本文はそこまで多くない