- 作者: 保田隆明
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2006/09/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 16人 クリック: 177回
- この商品を含むブログ (74件) を見る
たとえば、インターネット関連会社を買おうということで、法務DD(デューディリジェンス*1)をする場合、契約書、知的財産権、関連書類等の山を読み、問題がないかを調査することになる。その際には、当然インターネット関連の業界での専門用語の入った契約書等が出てくることになる。また、関連書類、特にメール等は専門用語を更に略していることも多い。
こういう場合には、業界の状況、業界におけるその会社の位置づけ*2といった「前提知識」を理解することが、これらの「わけのわからない書類」の山を理解し、そして問題を発見する上で必要になる。
また、公認会計士、税理士、投資銀行等、さまざまな専門家同士でチームを組んで仕事をすることも少なくない。そのような場合には、チームの仲間が、弁護士に何を期待しているか等を知る上でも、チームの仲間が何をしているかを知ることが重要である。
その方法として、「就職本」「業界本」等は1つの選択肢である。しかし、内容につき、面白いといえるものは少ない。
本書は、「小説」という形で投資銀行の仕事がわかる本である。
本書は、投資銀行の落ちこぼれ新人OLミヤビが、初めての大きなM&A案件に立ち向かう様子を描いている。タイトルどおり「青春小説」調のこの物語を読み進めるうちに、投資銀行のM&A部門の人たちがどういう仕事をし、どういうことを考え、何に生きがいを感じているか等がよくわかる。仕事上の成長とプライベートのいずれを優先させるか悩む姿等は、弁護士にも共通の悩みかもしれない。
まとめ
「投資銀行青春白書」は、投資銀行に興味がある人のみならず、弁護士志望の学部生・ロースクール生にお勧めの一冊である。