アホヲタ元法学部生の日常

アニメを見て法律を思い、法律を見てアニメを思う法アニクラスタ、ronnorのブログ。頻繁にツイッター(@ahowota)に出没しております。メールはronnor1あっとgmail.comへ。BLJにて「企業法務系ブロガー」として書評連載中。 #新人法務パーソンへ #オタク流勉強法 #明認方法 「アホヲタ元法学部生の日常」(ブログ)、「これからの契約の話をしよう」(同人誌)、『アニメキャラが行列を作る法律相談所』(総合科学出版)等。

投資銀行青春白書

投資銀行青春白書

投資銀行青春白書

 弁護士にとって必要な知識に「顧客」や「チームの仲間」の仕事内容というものがある。

 たとえば、インターネット関連会社を買おうということで、法務DD(デューディリジェンス*1)をする場合、契約書、知的財産権、関連書類等の山を読み、問題がないかを調査することになる。その際には、当然インターネット関連の業界での専門用語の入った契約書等が出てくることになる。また、関連書類、特にメール等は専門用語を更に略していることも多い。

 こういう場合には、業界の状況、業界におけるその会社の位置づけ*2といった「前提知識」を理解することが、これらの「わけのわからない書類」の山を理解し、そして問題を発見する上で必要になる。


 また、公認会計士、税理士、投資銀行等、さまざまな専門家同士でチームを組んで仕事をすることも少なくない。そのような場合には、チームの仲間が、弁護士に何を期待しているか等を知る上でも、チームの仲間が何をしているかを知ることが重要である。

 その方法として、「就職本」「業界本」等は1つの選択肢である。しかし、内容につき、面白いといえるものは少ない。


 本書は、「小説」という形で投資銀行の仕事がわかる本である。
 本書は、投資銀行の落ちこぼれ新人OLミヤビが、初めての大きなM&A案件に立ち向かう様子を描いている。タイトルどおり「青春小説」調のこの物語を読み進めるうちに、投資銀行M&A部門の人たちがどういう仕事をし、どういうことを考え、何に生きがいを感じているか等がよくわかる。仕事上の成長とプライベートのいずれを優先させるか悩む姿等は、弁護士にも共通の悩みかもしれない。

まとめ
 「投資銀行青春白書」は、投資銀行に興味がある人のみならず、弁護士志望の学部生・ロースクール生にお勧めの一冊である。

*1:M&A等の際に買う相手の企業の中身が外見どおりなのかを調べる作業。簿外債務があるとか、実は特許が切れているとか、実はサービス残業をしており、残業代を請求されると300億払わなければいけない状態といった場合には、その分購入価格を引き下げないといけないので、DDにより調査をする。

*2:たとえば、営業に強いが開発はそこまで強くない会社なので、顧客に対し、他社の開発したソフトを提案し、自社内で顧客向けにアレンジした上で提供する会社であるだとか