- 作者: 山川純一
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2003/11/01
- メディア: コミック
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さて、岡口基一『要件事実入門』には、その「Epilogue」に、タイトルからして一部の法クラを大変「わくわく」させた漫画が挿入されている。それが、「要件事実やらないか」である。
もちろん、このタイトルは、「山がなくて落ちがなくて意味がない」例のあの業界の超有名な漫画のオマージュであるところ、法クラにおいて面白い漫画・イラストを描かれる方として超有名な中村真先生と、岡口基一先生の
中村×岡口
または、
岡口×中村
が展開されるとあって、一部の法クラにとっては、「胸熱」の一作である。当該「想定読者」であれば、
「わくわくしすぎて『せりあがり』しただろ(笑)」
中村真「要件事実やらないか」(岡口基一『要件事実入門』195頁)
という岡口判事の言葉に、「ああ・・・次は同人誌だ」とばかりに冬コミ用の同人誌を作り始めることは必至であろう。
同作の中で「表面上」展開されている話は、いわゆる「要件事実の面白い話」であるが、注目は、画面から切れている部分であり、「一部法クラの妄想を掻き立てる」というニーズに応えながらも、同時に弁護士法56条1項の「その品位を失うべき非行」を回避するための中村真先生の努力がにじむところである。
なお、同漫画のメインの読者層という意味では、岡口判事の「法衣を着る日」よりも「法衣を脱ぐ日」の方が良かった気もするが、その点は、「中村真先生の次回作に期待!」であろう。
まとめ
「a+bの理論、C契約」(岡口基一『要件事実入門』はしがき参照)等、多くの、(一部法クラの)妄想を掻き立てる理論を生んできた要件事実論は、ついに「要件事実やらないか」を生んだ。
爆笑漫画「要件事実やらないか」を読んだ一部法クラ達が、「大嘘判例801選」に続き、冬コミで大変興味深い「薄い本」を執筆されることが強く期待できる、すばらしい一作であった。