アホヲタ元法学部生の日常

連絡はTwitter ( @ahowota )でお願いします。アニメを見て法律を思い、法律を見てアニメを思う法アニクラスタ、ronnorのブログ。メールはronnor1あっとgmail.comへ。BLJにて「企業法務系ブロガー」として書評連載中。 #新人法務パーソンへ #オタク流勉強法 #明認方法 「アホヲタ元法学部生の日常」(ブログ)、「これからの契約の話をしよう」(同人誌)、『アニメキャラが行列を作る法律相談所』(総合科学出版)等。

アニメ・漫画・ゲームの企業法務実務への活用の実践例20選

アニメ・漫画・ゲームの企業法務実務への活用の実践例20選

 

アニメキャラが行列を作る法律相談所

アニメキャラが行列を作る法律相談所

  • 作者: ronnor,庄司論平,エマ・パブリッシング,リクルトスツー,執筆協力:patRIOT /たまごまご
  • 出版社/メーカー: 総合科学出版
  • 発売日: 2011/12/20
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このエントリは、「裏」法務系アドベントカレンダー2019の企画です。

 

adventar.org

 

昨晩のwakateben先生のブログからバトンを引き継ぎました。

wakateben.hatenablog.com

 

アドベントカレンダー、とりわけ「裏」では、なぜかハンバーグ縛りが起こっているらしい(多分、

他職種に就いてから活用できた法務経験TOP10 - coquelicotlog

のおかげ)ところ、このエントリではハンバーグは出てこないので、とりあえず、ハンバーグ&アニメ&競馬*2ということで、こちらのリンクを。

ameblo.jp

 

 

 さて、本題に戻りますと、当ブログは、アニメ法律本を商業出版しているようなアニオタにより執筆されているところ、色々と流れ流れて現在は現在法務界隈に住み着いている*3。アニメと法務、「この2つを掛け合わせてシナジーを生み出すことはできないか!?」このような問題意識からこれまで行ってきた20の実践例をご紹介したい。

 

 

1 アニメを使った法務スキルアップ

 まず、日本のアニメには、北米版等の海外版が存在する。サブタイトル(字幕)のみもあるが、海外版では吹き替えがされていることがあり、リスニング力向上に役立つ。言語を学ぶ場合、「好きなもの」(テーマ、内容等)が既に学びたい言語に翻訳されているものを活用する、というのは意欲を持って当該言語を学習するための王道である。

 

 参考:ドイツ語版マリみてレビュー

ronnor.hatenablog.com

 好きなアニメの英語吹き替え版を見ることで、英語能力を向上させ、法務パーソンとして次のステージに行こう!

 

2 艦これ式メール処理法

 

 

 艦隊コレクションにおける、発生中の「任務」を消化し、1つ1つ消していく方式を応用した、メールの処理方法である。

 メールソフトには「受信トレイ」と、各案件毎に分かれたフォルダが存在する。ここで、一部の人は自動的に各案件毎のフォルダにメールを移動させるよう設定する。しかし、「艦これ式メール処理法」では、「あえて」手動で移動させる。

 なぜ手動で移動するかといえば、「自分がボールを持っている案件」と「ボールが相手にある案件」を区別するためである。受信トレイには自分がボールを持っている案件(のみ)を集約する。その上で、自分が対応すべきメールに対する対応*4を終わらせたら、「艦これ」でいうところの任務を「達成」したとして、受信トレイから別のフォルダに移動することで、「ボールが自分以外にある案件」が各案件毎のフォルダに移り、受信トレイには「ボールが自分にある案件」だけが残る。

 このような方法によって、受信トレイさえ見れば、自分が今やらなければならない案件がわかるということになり、非常にシンプルに、なすべき業務の一覧化と優先順位づけをすることができる。

 

 

 

 最近このようなツイートのやり取りがあったが、これは「艦これ式メール処理法」に近い処理方法である。

 

3 ポケモン式勉強法

 

 

 

 法クラにおいて、ポケモンに関する最も有名な「名台詞」は、以下のものだと言って差し支えないだろう。

 

民法は、ポケモンワールド。百数十のポケモンの名前や性質・得意技などを覚えたように、民法ワールドに潜む、できるだけ多くの概念や制度をゲットし、その制度理解や解釈技法に習熟することによって、民法マスターへの道をめざそう。君のピカチューは何かな?

松本恒夫他「マルチラテラル民法」v頁

 

 つまり、法律に関する諸制度、条文、判例等は1つ1つをポケモンだと考えるということである。そして、勉強(OJTと座学・書籍等双方)を通じてポケモンを1匹1匹実際の利用場面を想定しながら「ゲット」していく。

 

 実務で「バトル」、すなわち、法律を使って解決すべき状況に直面したとき、そのバトルそのバトルに最適なポケモンを選択し、


「行け、下請法!支払遅延の禁止だ!」

 

等として問題を解決するのだ。

 

眠くなり、辛い勉強も、「ポケモンゲットのための道のり」だと思えば前向きになるだろうし、書籍の購入も「課金」だと思えばいい。そして、一度押さえた内容がまとまっている江頭・菅野等の分厚い基本書は「ポケモン図鑑」として活用可能だろう*5

 

 4 まどマギPDCA

 

 

 

法務の仕事は、最初はなかなかうまくいかないことも多い。私の個人の経験ではなく、あくまでも「あるある」ネタであるが、以下のようなシーンが想定される。

 

例えば、「こんな不利な契約、全面書き換えしないと当社の利益が守れません!」と頑張って書き換えた契約について、営業から「相手から雛形なので、修正不可と言われました」として相手の雛形どおり締結したことを通知されるシーン。

 

例えば、社内のある慣行が違法だと考え、「これは是正しないと違法ですよ」と伝えたものの、「経営陣に打診したら、この慣行は経営陣の意向によるものだから、違法かどうかはともかく是正しない」と通知されたシーン。

 

例えば、今後このように業務方法を改善していきましょう、と伝え、その場では「わかりました」と言われたものの、その数ヶ月後に、全く変更がない旧態依然の業務方法が続いていたことが判明したシーン。

 

これらはあくまでも例だが、「心が折れる」寸前までいくようなパターンもないではないだろう。

 

しかし、そもそも、「動かない」「思い通りにならない」というのは、自分が社内でまだ信頼されていないだけかもしれない。また、例えば「キーパーソン」を見つけて、その「キーパーソン」の心を動かせば、実際に改善につながるかもしれない。そうであれば、単に論理的に「正解」を説明するだけでよしとするのではなく、相手の行動にまでつなげるには更にどうすべきか、仮説を立てて更に実践し、その仮説を修正することを繰り返すべきである。

 

ワルプルギスの夜に負け続けても絶対にあきらめない、魔法少女まどか⭐︎マギカにおける暁美ほむらのように、失敗してもあきらめず、日々、改善を続けよう! いつか「ワルプルギスの夜」だって倒せるはずである。

 

 

 

5 ラブライブ!式分業法

 

 ラブライブ!では、スクールアイドルグループであるμ’sのメンバーが協力をして大きな夢を実現していく。

 

 ラブライブ!を参考に、仕事上の課題を解決する上で、自分で対応できない部分は、社内外の人と協力しあって補っていく。

 スクールアイドルに必須の作詞、作曲、衣装作り等を自分でできない穂乃果が、μ’sの別のメンバーと協力してこれを実現するのと同じ。

 

μ’sのリーダー論及びそれが仕事でも通用することについては、以下のツイートが参考になる。

 

 

https://twitter.com/gigakame/status/1193162765910720514?s=20

 

https://twitter.com/gigakame/status/1193162765910720514?s=20

ht6ps://twitter.com/gigakame/status/1193162765910720514?s

6 ドラえもん式専門家活用法 

 

 

 「秘密道具」のように自分にないものを補ってくれる外部専門家。でも、適切な場面で適切に活用しないとその効果を発揮できず、失敗してしまう。

 

 基本的には、「道具に頼りきり」ないしは「専門家に丸投げ」ではなく、道具/専門家を「使う人」の方でよく考えて、「この道具/専門家にはここでこういう活躍をしてもらう」「ここは自分でやる」といった形で切り分けをしながら活用していかなければならない。とりわけ道具があるから/専門家の意見により「こういうこともできる」という状況の下「じゃあ、どの選択肢を採用するか」はこちら側が決めることであって、その判断まで丸投げすることはできない。

 

「便利な道具も使い方次第」は、外部専門家の登用においても全く一緒だ。

 

 

7 アイマス式後輩育成法

 

 

 

後輩の個性に合わせ、時間をかけて根気づよく育成し、本人が笑顔でいられるようにする。
 
 
仕事はそのものが辛いことも多い以上、先輩からの指導まで辛いものだったら、後輩もなかなか伸びないだろう。
 
先輩の方で「笑顔です」等という確固たる信念を持ち、また、必ず「輝ける」と、後輩を信じていれば、後輩もその期待に応えてくれる可能性が高まる。
 
この点は、THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLSの武内Pに学べることが多いだろう!

 

8 ハルヒ式「夢」実現法

 

 

 

仕事やキャリアについて希望があっても、声を出さないと誰も分かってくれない。

例えば、「自分は英文契約を学んで、今後留学したい」と思っているならば、そのことを声に出して同僚や上司に伝えると、「そうか、じゃあ、この英文契約の仕事はあまり急ぎではないからお願いしようか」と言った感じで自分の望むキャリアに向けた支援をしてくれることも多い。

しかし、何も言わなければ、(会社の都合で、または、場合によっては「善意」で)よく分からないキャリアに向けた仕事の振り方等をされてしまうかもしれない。

涼宮ハルヒのように、「この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、私のところに来なさい。」等と社内外で夢実現に向けて声を上げることで、はじめて夢を実現できる。自分は自覚できていなくても、もしかすると、周りには、既に「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者」がいるのかもしれない。

 

 9 けもフレ式「雰囲気醸成法」

 

けものフレンズ Blu-ray BOX

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チームビルディングにおいて、チーム全体で良い雰囲気を作るのは簡単ではない。特にうまくいかないフェーズ、ミスが出るフェーズ等では、ギスギスしがちである。

けものフレンズ無印のみ)は、相手の良いところを素直に「すごーい」と褒め、できないことも「へーきへーき、フレンズによって得意なことが違うから!」で全肯定する。

チームメンバーの良いところを探し、失敗についても可能な限り否定しないようにするという、このけもフレ流を採用することで、チームが前向きで良い雰囲気になるので、チームビルディングの際にフル活用しよう。

 

10 ラブライブ!サンシャイン!!式PMI

 

 合併や事業譲渡等で複数の組織が一緒になったとき、真の意味での「一つの組織」へと変えるための努力が必要である。これをPMI、ポスト・マージャー・インテグレーションという。

 

 このようなPMIの実務を学ぶ上では、現実の事例をもとに検討することが望ましいところ、映画版ラブライブ!サンシャイン!!は、まさにそのような事例であり、PMI研修の教科書として活用すべきである。

 

 この点は、当ブログのエントリーを参照のこと。

 

ronnor.hatenablog.com

 

 

11 エヴァンゲリオン式自己防衛術

 

 基本的にブラック企業は、従業員が「逃げちゃダメだ」と思うように仕向ける。

 

例えば「この会社でやれない人はどこに行ってもだめだ」「石に齧りついても3年頑れ」「辞めたらこの業界で働けないようにしてやる」等々という感じである。

 

また、逆に会社があまりにもだめ、として、責任感が強い人に「自分がいなきゃいけない」という思いを感じさせることもある。

 

しかし、実際には組織というのは「私が死んでも代わりはいるもの」という原理に基づき、誰が欠けても円滑に回るように作るべきであるし、そのように作ることができなければそれこそが経営側(マネージメント側)の落ち度である。

 

その意味では、見限るべき会社組織は早々と見限り、自分を守るべきである。最後は、会社よりも自分が大事だから。

 

12 天気の子式コンプライアンス

小説 天気の子 (角川文庫)

小説 天気の子 (角川文庫)

 

 天気の子では、穂高、そしてその周りの人たちは法を犯してでも、陽菜さんを救おうとする。このように、「法よりも重要なものがある人」がいる、というのは、映画の中だけではなく、現実社会でも重要な点である。

 

 実際のところ、「会社の論理」というのは、会社の中では、何よりも優先されることが多い。別に会社が「あえて法を犯したくてしょうがない」のではないが、会社として何らかの理由で決めた方針というのは変えることは容易ではなく、むしろ「法務の方でうまく帳尻を合わせてくれ」という形で法務に責任が押しつけられることもある。

 

 グレーの色をほぼ白にまでできる代替手段がある場合もあるが、グレーやかなり濃いグレーにしかならない場合がある、そして、最後は黒という場合もある。「黒」の案件にゴーサインを出すか、それとも辞めるかといった究極の選択を迫られることは多くはないとしても、ゼロではない。

 

 穂高は、家庭裁判所少年審判を受け、保護観察という処分を受けた。この場合には、更生という選択肢を取ることが可能であった。ただ、会社の場合には、コンプライアンス違反が最悪倒産を招くという事実を前提に、判断をしていかなければならない。

 

 なお、以下はあまり関係がないが参考リンクである。

ronnor.hatenablog.com

 

13 青豚式法則性発見法

 

  青春ブタ野郎シリーズでは、思春期症候群と呼ばれる一見不合理な現象に対し、双葉理央が主人公の梓川咲太の相談に乗り、(自らも思春期症候群にみまわれながらも)法則性を発見し、その現象を解明する。

 

 会社法務において、相手が一見「場当たり的」で「不合理」な対応をすることがある。例えば、ある対応がコンプライアンス違反だから直すように指摘しても「直せない」という部門であるとか、契約文言が矛盾していて、問題があるから適切な文言にして矛盾をなくそうと提案しているのに「この契約雛形以外では当社は契約できません」という相手方等々。

 

 こういう一見不合理な対応についても、その「理由」や「過程」をよく考えれば、そのような対応には法則性やそれなりの背景があることが分かることも多い。

 

 例えば、「直せない」という理由は、当該部門の絶対権力者であるとか、社長等が何らかの理由で「こうするように」と指導したからであって、その人に配慮しているであるとかそういう理由があることがある。また、例えば雛形を修正するなら法務に相談するというルールのある会社で、法務に相談したくないから、営業限りで「これは変更できない」と言っている相手方がいる場合、「お互いに法務入れて電話会議でもしません?」と言ってみると、「法務に確認しました。修正受け入れます」と一瞬で態度が変わる可能性がある。

 

 こういう、青豚の双葉理央のような法則性や背景を探る営為は、少なくとも法務ライフ(ホムホムライフではなく)を快適にするためにはとても重要である。

 

14 スタァライト式「ルールクリエイション」

 

少女☆歌劇 レヴュースタァライト Blu-ray BOX1

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少女⭐︎歌劇レヴュースタァライトは、「契約書レビューしときます」といった日常的メールが「契約書レヴューしときます」に予測変換されるというような形で、法務生活に若干の支障をもたらす反面、それ以上に重要なことを教えてくれる

 

 キリンのオーディションを戦い、そのオーディションを勝ち抜くことで「トップスタァ」を目指す、聖翔音楽学園の舞台少女たち。そこには「オールオアナッシング」ないしは「勝者総取り」のルールがあった。

 

 愛城華恋は、オーディションへの乱入から始まり、既存のルール全てをぶち壊し、新しい境地を切り開いた。

 

 これこそ、まさにゲームそのものをチェンジする「ルールクリエーション」であり、今後の法務に必要とされる、会社がビジネスをする上で守るべきルールを絶対的なものと思い込まず、必要に応じてルール自体を変革することも辞さない態度をとることの必要性を語ってくれる。「わかります。」

 

15 ケムリクサにみる転職の重要性

 

ケムリクサ 1巻[上巻] [Blu-ray]

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 けものフレンズ(無印)の後の2期を作ろうとした際のたつき監督の身に生じた事態については、既に多言を要しないだろう。

 

 しかし、たつき監督は、けものフレンズシリーズへの関与をやめ、ケムリクサを作ることで、世に再び評価された。

 

 このことが分かるのは、元いた場所にいることに固執する必要はなく、別の場所におい輝くことができることである。

 

 これを法務パーソンに敷衍して見ると、ある会社で仕事をしていて、そこで目がでない、上司から評価されていない、会社の方針に納得できないと言った場合には、その会社に泣きながらしがみつくよりも転職をすることがより良い人生に近づけるということである。

 

16 よりもい流ダイバーシティ

 

  宇宙よりも遠い場所は、女子高生が南極を目指すアニメである。それぞれ個性的な登場人物が出てくるが、一人だけだと多分南極にいけなかっただろう。

 

 小淵沢報瀬は母親のため南極に行こうと100万円貯める積極性があるが、なけなしの100万円を落とすような抜けているところがあり、また、南極観測隊からは変人扱いされる。キマリ(玉木マリ)は普通の女子高生で青春をしたいが、具体的に何をするかに悩んでいた。この二人が出会い、そして、三宅日向と白石結月とあわせて四人が協力しあうことではじめて南極に行くことができた。

 

 組織も同じであり、強い目標を持つ人、その目標に共感して引っ張る人等、多様な人材が協力することで、大きな目標を達成していく。その意味で、多様性(diversity)は大変ではあるが、重要であり、そのような多様な人物を包含すると共に、その多様な人物が、その良さを生かして同じ目標を達成できるように進めるようにすることが現代におけるマネジメントだろう。

 

17 プリンセスプリンシパル流「スパイ」術

 

 

 プリンセス・プリンシパルは、スパイ×女子高生×スチームパンクという、まさに私のような人の琴線に触れる作品である。

 

 ここで、重要なことは「スパイ」の特徴すなわち、複数の身分を持つことの重要性である。実際には、複数の身分を持つことで、一つの立場がうまくいかなくとも、一時的にもう1つの立場に身を隠して生活し、再起を図ると言った方法がある。

 

 もちろん、スパイ「行為」のようなリスキーなことをする必要はない。あくまでも、一つの身分だけではなく複数の身分を持つことの重要性に過ぎない。

 

 例えば、法務パーソンとブロガー(&ツイッタラー)というのは、1つのあり方である。

 また、社会人大学生等もあり得るだろう。

 更に、最近副業をする人も増えてきている。

 

 もちろん、本来の法務パーソンとしての仕事がおろそかになってはならないが、その範囲で別の「身分」を持つことは重要である。

 

 

18 とあるシリーズで学ぶ「レベルゼロ」の勝ち方

 

  とあるシリーズは、開発された超能力のランクによってレベル0からレベル5まで区分された学園における科学と魔術の争いがテーマとなるが、面白いのがレベル5の一方通行であってもレベルゼロの上条当麻にコロッと負けることである。

 

 「法務のレベルファイブ」というのが一時期流行ったところ、一つの「ものさし」によって上下を区分することはできるが、それはあくまでも当該「ものさし」による上下関係であって、それ以外の観点では、また別の結果があり得る。

 

 例えば、司法試験の知識ではインハウスに全然かなわないような無資格の法務パーソンが、うまく「キーパーソン」とコネクションを作って法務の案件を回して行く、というのは、「ものさし」を、司法試験の点数から「企業の法務部門における実務能力」に変えることで、成功している事例であろう。

 

19 グリッドマンで学ぶ温故知新

 

 

  SSSS.GRIDMANは、電光超人グリッドマンという円谷プロの古典的特撮を、スピンオフという形で現代に蘇らせた温故知新のアニメである。

 温故知新というのは、法務でも重要である。法務の中で古い時代の話というのは、あまり注目されないことも多い。

 そこで、昔のトラブルとその教訓から作られてきた雛形の文言が、時代と共に「なぜその文言になっているか分からない」と言った形で承継されないこともある。

 それぞれの会社の法務部門には、それぞれの歴史がある。その歴史的な背景に再度光を当て、例えば、「自社はこういうトラブルが過去にあったので、こういう点を重視してコンプライアンスをやっている」等という形で若い人に歴史を承継することは、自社の法務部門の「原点」に立ち戻るという意味でもあり、重要であろう。

 

20 ガルパン式チーム内意識統一法

 

 

 

 ガールズ&パンツァーでは、大洗女子学園の西住みほ隊長が、必ずしも強いとはいえないメンバーをまとめ上げて実力以上の結果を出している。

 一人ではなく、チームで対応する場合、適切な「作戦名」を考えて共通認識を形成しやすくする。「下請法の範囲内で最大限押し込む作戦」とか「瑕疵担保条項だけは守る作戦」とか「コソコソ作戦」とか。チーム内で意識を統一し、一丸となって戦う上で効果的である。

 

昔「法務のノウハウ」という記事を書いたことがある。

 

ronnor.hatenablog.com

 

「法務のノウハウ」記事で紹介したミニノウハウも

・ついで作戦

・一応のプロセス作戦

・駄目元作戦

・柔軟な方法作戦

・合理的期間作戦

・改善計画作戦

・次の改定時期作戦

等という「作戦」にすると、いいかもしれない。

 

 このように、アニメ、漫画、ゲームには、多くの「知恵」が詰まっている。これらは、法務パーソンの日常生活を改善し、よりよい人生を導いてくれる。

 

 最近では、「思い」を共有してくださる方も増えてきた。

 

 

 皆様も、アニメ、漫画、ゲームの知恵を企業法務実務に活用しませんか?

 

まとめ

このような、アニメの知恵を法務に持ち込むことにご賛同下さる「ちくわ」さんが明日、裏LegalAC のバトンを引き継がれる。「法務に役立つかもしれなくもないアニメ10選」だそうである。大変楽しみである。 

 

追記:12月12日

chikuwa-houmu.hatenablog.com

 

ちくわさんの記事が期待をはるかに上回る素晴らしさで、感動しましたので、ご紹介。私の記事は「前座」であり、本編がちくわさんの記事とお考えください。なお、何個アニメが被るかを想像してみて頂けるとより楽しみが増えるかと! アニメ法務の奥深さを示している記事だと思います!

 

 追記:2020年12月6日

 

#経営アニメ法友会 設立しました。

ronnor.hatenablog.com

chikuwa-houmu.hatenablog.com

 

*1:これをやらないと「刺される」ご時世と理解しております。怖いですね...。

*2:競馬を選んだ理由は、某戦士先生の影響かもしれません。

*3:資格の有無は公表していませんが、某企業法務部で働いている現役法務パーソンです

*4:典型的には「返信」であるが、返信をしなくても、「転送」すればいい場合や、何もしなくても良いという場合もあるだろう。

*5:つまり、例えば江頭であれば、その内容を理解しない状態では、ポケモン図鑑が埋まっていない状態。内容を理解し、1つ1つポケモンをゲットしていくことで最終的には江頭の内容を全理解し、「ポケモン図鑑会社法編」が完成すると言うイメージである。