- 作者: 芝原邦爾
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/05/19
- メディア: 新書
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私のイメージとしては、
各法律の末尾になんか「罰則」とかあったなぁ...
とか、
そういえば、預合の論証で965条の条文を使ったなぁ..。確か、罪刑法定主義を出して、「見せ金」については、965条は適用されないって書たっけ..。
といったイメージだけだった。
しかし、経済刑法は法規定の実効性の担保という意味で非常に重要である。
また、実際に同じ行為が複数の犯罪に触れるということにも驚いた。よく、答案練習会の問題に「(但し、特別法の規定を除く)」と書いている。この実際上の意味がよく分かった。
例えば、和牛商法の例である。実際には、和牛なんかはいないのに「和牛のオーナーになりませんか?」といって、お金を集め、それを騙し取るという商法である。これは普通に詐欺だろうと思ったが、
この事件では、まずは出資法違反で捜査がなされた。
それは、出資法という法律が、銀行以外が一般の人から出資を募ることを原則として禁止しているからである。そこで、この和牛商法も、出資法違反なのではないかという疑いで捜査がなされ、内容が詐欺であったから、詐欺罪へと変ったのであった。
単なる末尾の「罰則」というイメージが,この本で大きく変った。経済刑法、意外に大切である。山口タンも興味を持っているようなので、ちょっと調べてみたくなった。
まとめ
末尾の罰則を集めて体系化してみると、1つの法分野になる。
このほかに、どんな法律にもあるものに「経過規定」「補則」「付則」がある。
こういうものも、体系化すると1つの法分野になるのではないか。