アホヲタ元法学部生の日常

連絡はTwitter ( @ahowota )でお願いします。アニメを見て法律を思い、法律を見てアニメを思う法アニクラスタ、ronnorのブログ。メールはronnor1あっとgmail.comへ。BLJにて「企業法務系ブロガー」として書評連載中。 #新人法務パーソンへ #オタク流勉強法 #明認方法 「アホヲタ元法学部生の日常」(ブログ)、「これからの契約の話をしよう」(同人誌)、『アニメキャラが行列を作る法律相談所』(総合科学出版)等。

#legalAC #裏legalAC 経営アニメ法友会ラブライ部会活動ー幻日のヨハネから学ぶ企業法務

#legalAC #裏legalAC 経営アニメ法友会ラブライ部会活動ー幻日のヨハネから学ぶ企業法務

 


この記事は #legalAC #裏legalAC 2023年リーガルアドベントカレンダーの第23日目の記事として投稿されたものです。

私は2020年の経営アニメ法友会設立以来、会務活動として、リーガルアドベントカレンダーへの投稿を続けており、今回で4回目である。

ronnor.hatenablog.com

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経営アニメ法友会は書籍においても四大法務交流団体の一角として名前が挙げられている*1法務交流団体である。しろたん部会等それぞれの部会で活動が行われているが、私はラブライ部会、つまりアニメ「ラブライブ!」から法務へ役立つ知見を抽出し、それを広める深い活動を行っている。

 

高校生が部活動やサークル活動としてアイドル活動を行い、日本一を決める「ラブライブ!」を目指すスクールアイドルも多数いる世界において、スクールアイドル達の成長が描かれる「ラブライブ!」。2020年から2022年までは毎年ラブライブ!作品のいわゆる「正統続編」が放映札づけていたが、2023年は「異世界スピンオフ」の放映の年であった。すなわち、ラブライブ!サンシャイン!!におけるスクールアイドル、Aqoursのメンバーである津島善子ヨハネ)が主人公となり、異世界において成長する物語である。同作品から法務に役立つ知見を10個抽出してみた。

 

【注意:以下は「幻日のヨハネ Sunshine in the Mirror」のネタバレを含みます。】

 

1 「どこ」ではなく「誰と何を」が大事(第1話)
 ヨハネはヌマヅから大都会へ行って歌手デビューを目指したものの母親と約束した期限内にデビューすることはできず、失意のうちにヌマヅへ戻ってくる。そこには飼い犬(オオカミ)のライラプスが待っている。ライラプスと森へ向かうヨハネは、昔よくステージとして歌を歌った大きな切り株へ戻ってくる。ここで歌うとなぜか楽しく歌えると感じるヨハネヨハネの母が「大事なのはどこにいるかじゃないわ。誰と何をするかよ。」と述べるように、ヌマヅで歌えば、ライラプスと幼なじみのハナマルが聞いてくれた。その二人がいれば楽しく歌える。ヨハネは、故郷に帰ってきたのだ。

ヨハネの母の言葉にあるように、「どこ」ではなく「誰と何を」が大事である、このことは法務でも役に立つ。法務は比較的転職しやすく、自分として「違うな」と思えば、いろいろな場所で働くことができる。しかし、本当に大事なのは、「どこ」ではない。自分は誰と何をしたいのか、これを考えておかないと、本当はライラプスとハナマルがいるところで歌うことこそが大事だったのに、大都会に行ったヨハネのようになってしまうかもしれない。

 


2 短略的に考えてライラプスを売り払わない(第2話)
 期限が満了して母親から大都会での生活の経済的支援を打ち切られたヨハネ、そこに動物学者のリコが登場する。リコはライラプスが珍しい動物であり、ヨハネライラプスの調査に協力してくれるなら、リコは多額の協力金を払う、と提案する。その提案に一瞬心が揺らぐヨハネ

 例えば、会社が苦しい時に買収提案が来る。この提案は非常に高い価格で会社を買うというものかもしれない。それに協力してDDを受けると、突然の仮差押え。実は、DDはお金の支払いが滞ったことに業を煮やした取引先が、架空の買収提案をでっち上げて、財産をリストアップするためのものだった。

 これはあくまでも仮想事例だが、全社的リスク管理を行う法務は、特に苦しい時に短絡的に考えて取れないリスクを取ろうとするビジネスに対し、「そのまま案件を進めるとビジネスはいいかもしれないが、会社全体としては大きなリスクを抱え込むことになる」と、会社全体の視点からリスク管理をしていかなければならない。それはビジネスを「止める」というよりは、そのビジネスの内容が合理的に取れるリスクに留まるようにする、ということである。

 ヨハネは最後はリコにライラプスを売り払うことを思い留まったが、もしライラプスを売っていれば、ヨハネは大きな後悔をしたことだろう。

 


3 言い争っている暇はない危機管理(第3話)
 異変が起こっているヌマヅ。鹿等の動物が凶暴化して襲ってくる。それをチカ等のミリオンダラーとヌマヅ行政局執務長官のダイヤが倒そうとする危機管理を行う。しかし、ミリオンダラーとダイヤの間で言い争いが発生する。ヨハネは双方に対して言い争っている暇はないと言い渡し、冷静になって協力しあったミリオンダラーとダイヤは見事鹿を撃退する。

 危機管理は法務人生で一度も出会わないで済むのが一番良いだろう。しかし、1回、場合によって複数回、危機管理をしなければならないことがある。その場合、特に危機の原因を作った部門に対し、そのせいで危機管理のために例えば徹夜でお客様対応を余儀なくされる等している部門が強い不満を持って、険悪な関係になることもある。しかし、そのような言い争いをしても何のいいこともなく、単に危機管理がスムーズに進まないだけである。

 法務部門は時には、そのような各部門の対立の中で仲裁をしながら、お互いに1つの方向を見据えて手を取り合って危機に立ち向かうよう促す役割を果たさざるを得ないこともある。これはある意味「貧乏籤」的なものであるが、他の部門がやらなければ法務がするしかないだろう。


4 「どんな物も、必ず生まれ変わることができる」「いらない物はない」(第4話)
 カナンはリサイクルクイーンと呼ばれる。大きなブランコの修理を依頼され、メッセンジャーのヨウとヨハネらで一緒に修理をすることになる。一人では到底できないようなボロボロのブランコも力を合わせて修理を完了させる。

 カナンは「どんな物も、必ず生まれ変わることができる」「いらない物はない」と言う。これは、まさに人についても当てはまるだろう。現時点では燻っている人でも、要らない人はいない。必ず生まれ変わることができる。場所を変える(但し、「どこ」ではなく「誰と何を」が大事)とか、勉強をし直す等、いろいろな方法があるだろう。

 修理しながらブランコで遊ぶ子供達が見えるカナンとヨハネは、修理を完遂することができた。未来を見据えるビジョンを持って、諦めずに進んで行くことの重要性を教えてくれる。


5 「Know Who」(第5話)
 異変が起こっている理由を知りたいヨハネ。もしかするとワーシマー島にいる魔王に会うと魔王は異変の原因を知っているかもしれない。ヨハネはおっかなびっくりワーシマー島に行くと可愛らしい魔王、マリに出会う。マリはある理由で閉じこもっているが、人の心の声を聞き取ることができた。

 自分で全てを知っている必要はない。誰に相談すればいいか、それを知っていれば、適時にその人に相談することで、目的を実現することができる。会社でうまくやっていく上ではKnow WhatではなくむしろKnow Whoである。

 マリに出会ったヨハネは、怖がるマリを外の世界を連れ出すことができた。人々の関係性の中で、人が成長していくこともこの話では描かれている。

 
6 様々な人の知見を持ち寄って協力(第6話)
リコは、動物学者としての知見を持ち寄り、マリは人の心の声の知見を持ち寄り、お互いに異変解決に向けて情報を交換し合う。

Know Whoとも関係するが、いろいろな人がそれぞれの経験に基づき様々な知見を持ち合うことで、よりよく複雑な物事に対応できる。例えば、法務だけではなく、経理や人事やビジネス等の様々な知見をもとによりよくリスクに対応することができるかもしれない。

7 公式のやり取り以外の関係(第7話)
第7話ではヌマヅ女子会が開催され、9人のAqoursのメンバーが一堂に会することになる。
ダイヤは堅苦しく、いわば公式行事のように進めようとするが、そうではなく、気軽にできるのが女子会だ、として、最終的には全員が肩の力を抜いて交流することになる。

オンラインでのやり取りはともすると公式のやりとりだけになる。これに対し、リアル会議では会議前後に廊下等で挨拶をしたり、ちょっと言葉を交わして交流したりすることができる。そのような公式のやりとり以外の関係が信頼関係を作る部分はある。もちろん、オンラインでも、そのような関係を作る場を設ける工夫はあるが、いずれにせよ、公式のやりとり以外の関係も重要である。


8 バラバラだからいろんなことができる(第7話)
女子会の企画で何をしたいか質問をするヨハネ。実際にはバラバラなやりたいことが提案されてしまい、それをどう収集つけるか悩みに悩むヨハネ
その中で、多くの人の意見を汲み取り、様々な目的が実現できるような女子会が実現した。

やはり多様性があると、様々な意見が出てしまって、その結果収集がつかないという悩みも出やすい。
でも、最初から1つの「この方向性ありき」という進め方だと得られないものも多い。
つまり、多様性によってプロセスは大変となるが、その結果としてより良いものを得られる可能性がある。
だからこそ、多様性を前向きに捉えるべきである。

9 自分が気づくのを待つ(第9話)
ライラプスは全てを知っていた。しかし、それをヨハネに直接伝えるのではなく、ヨハネがヌマヅにいつでも戻ってこれて居場所があるようにした上で、幼なじみのハナマル等のヌマヅの仲間と交流する中でヨハネ自身が気付くのを待った。


後輩を指導する際に、「これが答えだ」と教えるということも1つの指導の方法である。
しかし、後輩自身に自分で気づかせるというのが場合によっては最善の指導かもしれない。
具体的な状況によるが、なかなか後輩指導がうまくいかないという人は、そのような「自分で気づいてもらう」よう忍耐強く待つという方法も1つ検討に値するだろう。

 

10 打つ手がなくても諦めず、自分の役割を果たす(第13話)
ヌマヅの異変が大きくなり、ダイヤは打つ手がないとパニックになりかけた。しかし、諦めず、ヌマヅ行政局執務長官としての役割を果たし続けた。

残念ながら、長い人生、打つ手がない、詰んだという状況になることはある。そして、そうであればパニックになるのも当然である。
しかし、そのような時でも諦めず、自分の役割を最後まで果たし続けると、状況が100%好転するものではないが、少なくとも自分が「可能性ゼロ」だと思っていたのが、ゼロではなかったとなることもある。諦めず、自分の役割を果たすことを検討すべきである。

 

 

 

*1:『Q&A 若手弁護士からの相談199問 特別編―企業法務・キャリアデザイン』 230頁