アホヲタ元法学部生の日常

連絡はTwitter ( @ahowota )でお願いします。アニメを見て法律を思い、法律を見てアニメを思う法アニクラスタ、ronnorのブログ。メールはronnor1あっとgmail.comへ。BLJにて「企業法務系ブロガー」として書評連載中。 #新人法務パーソンへ #オタク流勉強法 #明認方法 「アホヲタ元法学部生の日常」(ブログ)、「これからの契約の話をしよう」(同人誌)、『アニメキャラが行列を作る法律相談所』(総合科学出版)等。

法アニクラスタのためのブックガイド

  一応私は、自分が法アニクラスタだと考えている。従来、法アニクラスタは、世界でも数人くらいかと思っていた。しかし、意外にも、「これからの契約の話をしよう」をご好評いただき、アニクラスタも結構いるようだと認識を改めた。そこで、法アニクラスタ向けの本をまとめたい。
 まず、法アニクラスタとは何か。これは難しい。例えば、法曹/裁判をテーマにした漫画・アニメは意外と多い。最も有名なのが「家栽の人」や「逆転裁判」であろうが、「家栽の人好き」「異議あり!好き」と法アニクラスタが同一かというと、多分ちょっと違う気がする。
 そこで、以下では、アニメ・漫画・ライトノベル等をそれとして好み、かつ、法律をそれとして好む、いってみれば、「アニメ好き兼法律好き」を意味するものとして検討したいが、ここは異論が多いところであろう。


1.基本書

 とりあえず、法アニクラスタの基本書は「空想法律読本」と言って差し支えないだろう。
 空想科学読本の「法律」版であり、軽妙な語り口で、空想世界の法律問題を考察する。
 これをきっかけに、法アニクラスタになった人は多いのではないか。
 なお、この本は主に「特撮」を題材にしており、いわゆるアニメ・漫画がほとんど含まれていない*1


2.空想の事件を法律で解決する本
 基本書たる空想法律読本と同じような「空想世界の事件を法律で解決する本」として、追加で3冊紹介しよう。

 空想法律読本の続刊が空想法律読本2であり、こちらは若干アニメ・漫画が入ってくる。


空想科学裁判

空想科学裁判

空想科学裁判〈2〉

空想科学裁判〈2〉

また、実は、空想法律読本よりも先に「空想科学裁判」が、別の出版社から刊行されていた。コンセプトはかなり似ている。私が存在を認識したのは空想法律読本が先だったが、その前年(2000年)に空想科学裁判の方が出版されていたようである。


 なお、いずれも、「元ネタが分かってナンボ」の面があるので、目次を確認しておくことを強くオススメする。


3.応用編
  他にも、法アニクラスタ向けの本は多岐に渡る。ただ、私の印象は、「漫画やアニメを導入に使うだけで、アニメ度が低い」モノもあるので、いわゆる「玉石混交」状態である。
  例えば、「『風の谷のナウシカ』(1984年、日本)も好きです」と公言される松井茂記先生が書かれた、「シネマで法学」のナウシカの章は、単なる環境法概論になっていて、風の谷の環境法が読みたいのに!というもどかしさを感じてしまった。
 このような中で、オススメできるものとしては、以下の2冊である。


メイド喫茶でわかる労働基準法
一部の人にとって最も「敷居の低い」労働法入門〜メイド喫茶でわかる労働基準法 - アホヲタ元法学部生の日常

メイド喫茶でわかる労働基準法

メイド喫茶でわかる労働基準法

  • 作者:藤田 遼
  • 発売日: 2011/04/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 基本的に上記エントリで説明したとおりであるが、著者が感じの良い方であり、好感が持てる。


国際法から始めようーもう一つの法律学への序曲」
オタクのための稀代の「国際法入門書」〜国際法からはじめよう - アホヲタ元法学部生の日常

 これも、基本的に上記エントリで説明したとおりである。法アニクラスタ以外の人は「痛い」と思うだろうが、そこを苦とせず商業出版までされた所は、感服の一言である。


4.上級編
上級編としては、法曹ものBL*2を紹介しようとも考えたが、普通のBLより遥かに破壊力を持つ同人誌を紹介したい。
  これが本当に法アニクラスタ向けの本なのかは分からないが、激烈な印象を残した同人誌としては、
ノンポリ天皇『たたかえっ! 憲法9条ちゃん』
がある。これが、私がComicZinで最初に買った本でもある。


  いわゆるライトノベル風の筆致で憲法9条にまつわる危ないネタを散りばめた本である。読者を選びまくりで、引く人が多分多数派であるが、一部の人の熱狂を呼び3刷というのも分かる気がする。
 ネタバレになるので詳述はしないが、個人的には、「こんなネタは自分くらいしか知らないだろう」と思っていた

という一見「何の変哲もない憲法の条文集」にまつわるネタを、同書がそのストーリーの中核に置いていたことに驚愕した*3

まとめ
 自分が所属していると考えたている「法アニクラスタ」向けの本を紹介してみたが、「こんなの法アニクラスタじゃない」等異論もあるだろうし、「こんな本はどうか?」という声もあるのではないか。Twitterかコメント欄で忌憚なきご意見をいただければ幸いである。

*1:実は、自分の記憶では、冒頭に伊藤塾伊藤真先生の推薦文があったような記憶なのだが、最近出た新書版にはないようである。記憶違いだろうか。

*2:検事×弁護士とか

*3:アキバの某巨大古書店に置いていたような。