- 作者: 日日日,三月まうす
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2005/06
- メディア: 文庫
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書籍の著者名が分かりにくい、読めないという事象は、比較的多く発生する。
ラノベ作者の日日日(あきら)、東北大法学部准教授の森田果(はつる)先生等、著者名をどう読むのかわからない人も多い。
そういう場合に、どうやって著者名を知るかについて、苦労している人も多いだろう。
http://r.nanapi.jp/237/
によれば、日本書籍出版協会の「データベース日本書籍総目録」 にアクセスして、著者を検索して調べるといった方法がライフレシピとして提唱されている。
これは、そのような苦労の1つだろう。
しかし、手元にその作者の本があれば、このような迂遠な方法をとらなくとも、まず確実に著者名の読み方がわかるのである。
2.奥付を見る!
奥付というのは、書籍や雑誌等の巻末にある、著者・書名・発行者・印刷者・発行日等が記載された頁である。
本を後ろからめくっていけば、数枚めくれば奥付頁に到達するだろう。
ここで、「著者名」は通常は漢字が書かれているだけである*1。
しかし、通常の奥付をよく読むと、
(C) XXXXX 200X
と書かれている場所があるはずである。
このXXXXXに、ローマ字で、著者名が書いているのである。
著者名の読み方は、奥付の(C)の後を読むことで一発でわかる。
3.その理由ー方式主義
一般的なライフハックサイトであれば、これで終わりであるが、当blogは、「法律ヲタク」によるサイトであるので、もう少し「法学的」な解説をしたい。
著作物が、著作権法により保護されるには、どうすればよいのか?
この問題は、少なくともほんの20年前までは、各国毎に大きく異なっていた。
日本等は、おおざっぱにいえば、「著作物を作れば、それだけで保護されます*2」というスタンスをとっていた。
しかし、アメリカ等の少なからぬ有力国は、最近まで「著作物を作っただけで保護されるなんて、余りにも保護が厚過ぎる! 著作物を保護してほしければ『Copyright(著作権)があります(なお、copyrightの略が(C)である。)』と明示して、更に『誰が著作権者で』、『いつ著作物を発行したのか*3』も明示しなければいけない。さもなくば、著作権による保護はされない。」というスタンスをとっていた。
そこで、アメリカ等においても著作権の保護を受けるため、一時期までは、「(C)+著作権者名+発行年」を明記する必要があったのである。
1989年にアメリカが日本等と同じ考えを受け入れる*4等、現在では、主要国のほとんどが昔からの日本の考え((C)なんて書かなくとも著作権により保護される)を受け入れたため、このような記載をする実益はなくなってきてはいるが、昔ながらの習慣として、今も、このような記載がされることが多いのである。
まとめ
本の奥付には、通常(C)の後に、著者名がローマ字で記載されている。
これは、過去に(c)+著作権者名+発行年を記載しなければ、米国等の主要国で著作権が保護されない時期があったことの名残である。