アホヲタ元法学部生の日常

連絡はTwitter ( @ahowota )でお願いします。アニメを見て法律を思い、法律を見てアニメを思う法アニクラスタ、ronnorのブログ。メールはronnor1あっとgmail.comへ。BLJにて「企業法務系ブロガー」として書評連載中。 #新人法務パーソンへ #オタク流勉強法 #明認方法 「アホヲタ元法学部生の日常」(ブログ)、「これからの契約の話をしよう」(同人誌)、『アニメキャラが行列を作る法律相談所』(総合科学出版)等。

znkさんの法務系アドベントカレンダー便乗企画ー小ネタ法務入門

小ネタ法務入門

 

 

**2023年1月3日にznkさんが補足エントリを出して下さいました!

 

blog.livedoor.jp

大変素晴らしい内容ですね!!

 
*2023/1/1にznkさんのツイートを参考に加筆しました。

 

 

 

znkさんが法務系アドベントカレンダーで秀逸な記事を公表された。

blog.livedoor.jp

znkさんは、まさに「小ネタ法務」の実践者である。ここでいう「小ネタ」とは、エッセイや論文等を指す。基本的には企業法務パーソンによるエッセイや論文等の執筆のことを想定しており、学者を想定していない。また、ガチの「在野研究者」(研究者が企業に所属しているだけ)というよりは、メインが法務業務であることを想定している*1

 

 
1.目的
なぜ小ネタをやるのだろうか。
・趣味派
に分かれるのだろう。
 シナジー派は、業務に関連する業績を公表できる形で積み上げ、業務に繋げると共に、転職時の分かりやすいアピールとする。自分の業界や業種を踏まえて専門特化していく方向性もあれば、業界横断的な「法務で共通して必要となる知識・ノウハウ」といった方向性もあるだろう。
 趣味派は、純粋に楽しいから行う。なお、この趣味派の中には、趣味が高じて「社会人院生」になり、修士論文や博士論文を書いてしまう人もいる*2
 
2.小ネタの書き方をどう学ぶか
 難しいのはどうやって「小ネタ」の書き方を学ぶかである。
・(実務家の多い)研究会・勉強会で報告をしてレビューしてもらう。
・社会人修士やLLM留学の機会を活かす
・ブログを書いて色々な人の意見を求める
等があり得る*3
 
3. 内容
内容は様々であり、
・純粋なエッセイ(学術度合いゼロ)
から、
・学術論文(質は兎も角)
まで、それぞれの興味関心に応じてあり得る。
テーマも、業務に関連したものから、純粋に理論的に面白いと思うテーマまで色々ある。
数千字の短いものから、数十万字のもの(書籍として出版)もある。・
 
4.投稿先
大学に所属すると、何かを描いたら投稿できる先として「紀要」があるが、基本的には、そのような「媒体」がないのが小ネタ法務の前提である。そうすると、
・ブログ等
・勉強会・研究会等で口頭発表
・投稿(投稿を受付ける雑誌、又は懸賞論文)
・依頼原稿
・書籍企画を持ち込んで通す
 辺りが一般的だろう。報告したものが雑誌等に掲載されるような勉強会・研究会等に参加できると小ネタの発表の機会が増える。
 小ネタが多くなり、レピュテーションが生まれると、依頼原稿が来るようになるが、その領域に至るまでは沢山の投稿等の経験を積む必要がある。
 
5.時間の捻出方法
 さて、小ネタ法務の1番の悩みは「どうやって小ネタの時間を捻出するか」であろう。
 一つは、シナジーを最大化するため、「仕事での勉強をそのまま小ネタに活かす」という方法であり、これがシナジー派の典型的な時間の捻出方法である。
 もう一つが、「ホワイト企業」を狙うことであり、9時-5時で月160時間だと、月260時間勤務(残業月100時間)の生活をしてるブラック企業の人よりも毎月100時間分多く「小ネタ」の時間を捻出できる。これは、「趣味」派の典型的な時間の捻出方法である。それ以外の趣味がない方がいいという説もあるが、少なくともブログに毎年書いている #経営アニメ法友会 の小ネタは趣味のアニメと法律の結合なので、他の趣味があってもいいと思われる。
 加えて「企業派遣留学」や国内の大学院等の学費補助等の会社の福利厚生制度を活かして、小ネタに集中する、という方法もある。
 なお、研究会や勉強会で話して、その発表原稿を論文形式に手直しするのも効率が良い。勉強会・研究会等によっては、法務系交流団体の一部のように企業が勤務時間認定してくれるものもあるので、給料をもらいながら小ネタ活動ができることもある。
 
 私の小ネタの例は以下のとおりである。
 
 
お前も小ネタ法務パーソンにならないか?( by 猗窩座)

*1:但し、学部卒だけではなく修士号取得者、博士課程修了者、博士号取得者等アカデミックバックグラウンドは様々であろう

*2:修士課程や博士過程の経験があれば、既存のテーマの小ネタ執筆を継続するパターンもある

*3:修士課程や博士過程の経験があればそこで既に学んでいるかもしれない